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マッチングアプリ初体験——妻ではなく”女”に戻る日

昼下がりのマッチングアプリ人妻編
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第1章|昼下がりの孤独

午前中に片づけた洗濯物の柔らかな香りが、まだ部屋の空気に残っている。掃除機をかけ、シンクの水滴を拭き上げ、冷蔵庫の中身を点検して買い足す品をメモに書き出す。いつも通りの家事を終えると、時計の針は午後一時を少し回ったところだった。

リビングのソファに腰を沈めると、全身から力が抜けていく。窓から差し込む秋の日差しはあたたかいのに、部屋は妙に静かだ。中学生になった子どもは学校で帰りが遅くなり、夫は相変わらず仕事にかまけて夜遅くまで帰らない。この短い午後の時間だけが、私に残された「ひとりの時間」だった。

テレビを点けても、流れてくる情報は頭を素通りしていく。スマホを開いても、特に誰かに連絡するわけでもなく、SNSを眺める気分にもなれない。ただ、手のひらにぽつんと置かれた空白のような時間が、私を取り囲んでいる。

「……このまま、ただ“妻”と“母”で終わるの?」

思わず胸の奥でつぶやいた。声に出せば壊れてしまいそうな、不安のかたまりだった。夫との関係を思い返す。最後に触れ合ったのは、いったいいつのことだっただろう。記憶を辿ろうとしても霞がかかっていて、思い出そうとするほどに胸が締め付けられる。

鏡に映る自分の姿を思い浮かべる。年齢よりは若く見えるはずだし、手入れも怠っていない。出産や授乳を経ても、体型は保っている方だと思う。それでも、誰にも触れられずに時間だけが過ぎていく現実。女としての私が、ここに確かに存在しているのに、夫にはもう必要とされていないのかもしれない。

「私は……もう女じゃないの?」

胸の奥に沈んでいた言葉が、静かに浮かび上がる。母としての役割は果たしている。家事もこなし、家庭を支えている。それなのに心の奥には満たされない渇きがあった。

ソファの背にもたれかかり、天井を見上げる。静まり返った部屋の中で、自分の心臓の鼓動だけがはっきりと響いている。午後の光がレースカーテンを透かし、床に揺れる模様を描いていた。

その光景は美しいのに、どこか遠い。手を伸ばしても触れられない幸福のように思えた。

「このまま何も変わらないまま、年を重ねていくの……?」

問いかけに答える人はいない。ただ、沈黙だけが返ってくる。胸の奥に重たく積もっていくのは、不安と空虚さ。そして、抑えようとしてもにじみ出てくる「女として見られたい」という切実な欲望だった。

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